2016年4月15日金曜日

LAPボランティアメンバー募集


  
(1)こんな人におすすめ

  ・大学で学びの場を自らつくってみたい!
  ・企画、運営の経験をしてみたい!
  ・コースや学年を超えていろんな人たちと関わってみたい!  
 
(2)活動内容

  ・ワークショップ等の企画、運営
  ・企画に向けた準備や話し合い
  ・広報活動 
  
(3)活動期間

  前期:4月~8月
  後期:10月~2月 
  
(4)募集条件

  本学学生(学部生・大学院生)であり、
  企画の準備や実施に主体的に関われること 
  
(5)活動説明会
  
  LAPの活動紹介のため4月中に
  2つの企画を用意しています!

  【その1】
  「Biblio-LAP~はじまりの1冊~」 
  4月20日(水)15:00-16:00
  場所:図書館1階PAOセミナーエリア
  詳細は次のイベントページからどうぞ(↓)
  https://www.facebook.com/events/1751569568407495/

  【その2】 
  「LAP活動説明会」
  4月21日(木)12:30-13:00
  場所:図書館1階PAOセミナーエリア
  申込不要 
  
(6)申し込み期限
 
  4月22日(金) 
  
(7)申し込み方法

  件名「ボランティアメンバー申し込み」
  本文「名前・学籍番号・学年・コース」を記載し、
     次のメールアドレスまでご連絡ください。
     office-tosyo-r@hyogo-u.ac.jp

  あるいは、図書館PAOサポートデスク丸毛まで、
  直接申し込みをしてください。
  *サポートデスク在席時間 
  平日10:00-16:30 (13:10-13:40を除く)
 
▼これまでの活動例
 
 「LAP×talks(LAPトーク)」
  http://hyokyolibrary.blogspot.jp/2015/08/lap-lap-talks-lap-2015.html

 「LAPワークショップ第3弾[家族ってなんだろう?]」
  http://hyokyolibrary.blogspot.jp/2014/10/lap3.html 


新館長ごあいさつ




附属図書館長 名須川知子


この度、新図書館長に任命されました。これまでの草野前図書館長のご活躍を拝見していましたので、さらにこれからも学生さん、教職員にとって居心地のよい、また、新しい精神世界が広がる空間を提供できたらと思っています。

私は、本学では30年以上過ごして参りました。この大学は、学部生と院生の数が同じくらいで、また、現職教員の先生も多くいらっしゃるという、独特な大学です。そういう中で私も若かりし頃から日常的に現職教師である方々とともにいることで、他の大学にはない学び、成長をさせていただけたと思っています。

現在では、卒業生・修了生も多くなり、それらの方々に「先生」と呼ばれて指導をしているつもりでした。今回副学長と図書館長になったことで様々な修了生からお祝いの言葉をいただきながら、実は「支えられてきた」ということを、今さらながら気付かされました。

さて、私は小説も読むことが大好きで、本がたくさんある図書館も大好きです。本の中で登場人物が生き生きとして活動したり、感じたり考えたりする様子を目の当たりに見ているような状況はとても楽しい時間です。この度、図書館長という役は、実は人生という舞台の上での「登場人物A」としての役割が与えられたように思えました。そして、そこには他にも多くの登場人物がいます。それらの方々とひとつの舞台空間を創って行くのです。

そう考えると、この図書館も来館される人々とともに創っていくところであると言えるでしょう。是非、来館いただき、新しい世界を拓き、感じていただき、日々ドラマを創り、この図書館を支えていってほしいと思っています。

これからもどうぞよろしくお願いします。  

平成28年4月15日
兵庫教育大学附属図書館長 名須川 知子

2016年2月19日金曜日

コラム 読後のとまどい

                                 附属図書館 永井一樹


 一番好きな絵本を問われたら、迷わず選ぶ一冊があります。ジョン・バーニンガムの『もうおふろからあがったら、シャーリー』(童話館, 1994)です。入浴中の女の子シャーリーに洗面室からママが小言を繰り返すという話。けれど、夢うつつの彼女はバスタブの排水管からこっそり抜け出し、森で出会った騎士に連れられ王国を旅します。やがてたどり着いた城で王様と女王様に歓待されるのですが、この辺りから脈絡がなくなってきて、彼女はさきっぽにボクシングのグローブがついた棒をふりまわし、ふたりを池に突き落としてしまいます。圧巻は、王国からお風呂に戻ったシャーリーが裸でママと向き合って立つ不気味なラストシーン。何のセリフもオチもなく、唐突にそこで物語は終わるのです。
 
 圧巻と書きながら、そのシーンの何がいいのか自分でもよくわかりません。この絵本には、結論とか教訓とか、あるいは救いとか慰めといったものが用意されていません。だから、絵本を閉じたとき、読者は何か突き放されたようなとまどいを覚えます。私はいったい何を読んだのか、と。しかし、このとまどいこそ、この絵本の最大の魅力というべきなのかもしれません。

 というのは、これとよく似たとまどいを、私は最近とある映画で味わったのです。
 それは、『パリ20区、僕たちのクラス』(ローラン・カンテ監督, 2008)というフランス映画で、題名から金八先生のような学園ものを想像しそうですが、全然違います。クラスは終始、まとまりそうでまとまらないし、かといって崩壊もしません。どこにでもありそうな教室の日常風景を淡々と描写していくだけなのですが、それが妙に生々しく映るのは、原作者である元教師を主役に据え、生徒役は演技経験のない現役中学生という異質なキャスティングゆえでしょうか。すべてのシーンが学校内で撮影され(フランス語の原題は『壁の内側』というらしい)、おおむね教室と職員室の繰り返し。でも飽きるどころか、ますます引き込まれていきます。シャーリーとママの関係がそうであるように、生徒と教師のコミュニケーションはどこまでも平行線を辿るばかり。終盤、移民の生徒の暴力事件をきっかけにその不和は沸点に達します。かと思いきや、誰も狂気を露わにせぬまま、すぐにまた平凡で穏やかな日常に戻ってしまう。映画を観ている身にとっては、はぐらかされたような気持ちになるのが不思議です。放課後のコンクリートの校庭で、生徒と教師がサッカーに興じるシーンがあります。今まで反目し合っていた者同士が、体を触れ合いながら無邪気にボールを追いかけている牧歌的な光景。それが、なんともいえず不気味で、なんというか、つじつまが合わないのです。そうして、物語としてのまとまりを欠いたまま、この映画もまた唐突に幕を下ろします。
 
 バーニンガムの絵本の翻訳を多く手がける詩人の谷川俊太郎に「父の死」(『世間知らず』(思潮社、1993)所収)という詩があります。映画を観終わったとき、ふとその一節を思い出しました。「死は未知のもので/未知のものには細部がない/というところが詩に似ている/死も詩も生を要約しがちだが/生き残った者どもは要約よりも/ますます謎めく細部を喜ぶ」。

(兵庫教育大学附属図書館メールマガジン「Library News」No.28(2016.2.19発行)より)